熱:融点・熱伝導率ML-04
金属の融点一覧:鉄・アルミ・銅・ステンレス・はんだの融点と沸点、高い順・低い順、合金の固相線と液相線
金属の融点を早見表と純金属・合金の表で示し、沸点、溶ける温度の幅、圧力による違いも出典つきで添えます。
あらすじ
この記事では、次の11項目を順に説明します。
ほか5項目は下の目次から。
この記事の内容(11項目)
- 結論:金属の融点一覧で、主な金属は何℃?
融点とは? 簡単にいうと?2
金属の融点と沸点の一覧は?1
融点が高い金属のランキングは?1
融点が低い金属のランキングは?2
- 融点と使われ方の関係は?
融点は圧力で変わる?1
- 融点はどうやって測る?
- 出典
融点は、固体が溶けて液体になる温度です。
金属の融点には、大きな開きがあります。常温で液体の水銀から、3,000℃をこえるタングステンまであります。
ポイントはここです。純金属は決まった温度で溶けます。合金は「溶け始め」から「溶け終わり」まで、温度に幅があります。
この記事で分かることは、次のとおりです。
- 主な金属と合金の融点の早見表と、比べやすい棒グラフ
- 純金属の融点と沸点の一覧(1気圧)
- 融点の高い順・低い順のランキングと、常温付近で溶ける金属
- はんだ・アルミ合金・ステンレスの「固相線〜液相線」の幅
- 融点と使われ方(はんだ付け・鋳造・耐熱)の関係
- 融点と沸点の違い、圧力による変わり方
純金属の値は、PubChem(米国国立医学図書館)の元素の表で確かめました。合金は、はんだ・アルミ・チタンのメーカーや業界団体の資料を使っています。
結論:金属の融点一覧で、主な金属は何℃?
鉄は約1,540℃、銅は約1,085℃、アルミは約660℃、スズは約230℃です。
| 金属 | 融点(合金は溶け始め〜溶け終わり) (℃) | 種類 |
|---|---|---|
| タングステン | 3422 | 純金属 |
| 白金(プラチナ) | 1768 | 純金属 |
| チタン | 1668 | 純金属 |
| チタン合金(Ti-6Al-4V) | 1650 | チタン合金 |
| 鉄(純鉄) | 1538 | 純金属 |
| ニッケル | 1455 | 純金属 |
| ステンレス(SUS304) | 1400〜1420 | ステンレス |
| 銅 | 1085 | 純金属 |
| 金 | 1064 | 純金属 |
| 銀 | 962 | 純金属 |
| アルミニウム | 660 | 純金属 |
| アルミ合金 | 477〜657 | アルミ合金 |
| マグネシウム | 650 | 純金属 |
| 亜鉛 | 420 | 純金属 |
| 鉛 | 327 | 純金属 |
| スズ | 232 | 純金属 |
| 鉛フリーはんだ(Sn-3.0Ag-0.5Cu) | 217〜220 | はんだ |
| 共晶はんだ(Sn-37Pb) | 183 | はんだ |
| ガリウム | 29.8 | 純金属 |
| 水銀 | -38.8 | 純金属 |
出典(5件)
- PubChem「Periodic Table of Elements」(米国国立医学図書館、元素の融点・沸点。1気圧、K の値を℃に直した)
- 日本製鉄「チタン」カタログ(T001、技術資料「他金属材料との物性比較」の溶融点。表の出典は日本チタン協会)
- 日本アルミニウム協会「アルミ材料の諸特性データベース 3. 物理的性質」(表2 アルミニウム合金の物理的性質、溶解温度範囲)
- 千住金属工業「はんだ付け材料 製品カタログ」(2025年、合金一覧の溶解温度:固相線・液相線)
- NIST「Database for Solder Properties with Emphasis on New Lead-free Solders」(表1.18、Sn-37Pb 共晶の融点)
表は高い順です。値は、このあとの純金属と合金の表から、同じ行を持ってきています。
ステンレス・アルミ合金・はんだは合金です。そのため、溶け始めから溶け終わりまでを幅で載せています。
金属の多くは数百℃から千数百℃で溶けます。ガリウムと水銀だけは、ふだんの気温の近くで液体になります。
早見表の値は1気圧のときの値です。合金は「SUS304」「6063」のような記号まで合わせて比べてください。
融点とは? 簡単にいうと?
融点とは、1気圧のもとで、固体が液体に変わる温度のことです。
英語では melting point といいます。氷が0℃で水になるように、金属にも溶ける温度があります。
純粋な金属は、融点に達すると温度がしばらく止まります。熱は、固体を液体に変えるのに使われるためです。
この「温度が止まる」性質を使って、温度計の目盛りを合わせることもあります。スズやアルミニウムは、その基準の温度に選ばれています。
融点と凝固点の違いは?
融点は固体が溶ける温度、凝固点は液体が固まる温度で、純物質では同じ温度です。
溶けるときと固まるときで、向きが逆なだけです。そのため、資料によっては「凝固点」で書かれています。
融点が高い・低いとはどういう意味?
融点が高いとは、熱しても溶けにくいことです。低いとは、少しの熱で溶けることです。
融点が高い金属は、高温の炉や電球のフィラメントに使われます。融点が低い金属は、はんだのように溶かしてつなぐ用途に向きます。
金属の融点と沸点の一覧は?
純金属の融点と沸点を、1気圧の値で高い順に並べると、次の表のとおりです。
| 金属 | 融点 (℃) | 沸点 (℃) | 融点 (K) | メモ |
|---|---|---|---|---|
| タングステン | 3422 | 5555 | 3695 | 金属でいちばん高い融点 |
| レニウム | 3186 | 5596 | 3459 | 沸点はこの表でいちばん高い |
| オスミウム | 3033 | 5012 | 3306 | |
| タンタル | 3017 | 5458 | 3290 | |
| モリブデン | 2623 | 4639 | 2896 | |
| イリジウム | 2446 | 4428 | 2719 | |
| クロム | 1907 | 2671 | 2180 | ステンレスの主な成分 |
| 白金(プラチナ) | 1768 | 3825 | 2041.55 | |
| チタン | 1668 | 3287 | 1941 | |
| 鉄(純鉄) | 1538 | 2861 | 1811 | 鋼や鋳鉄はもっと低い温度で溶け始める |
| コバルト | 1495 | 2927 | 1768 | |
| ニッケル | 1455 | 2913 | 1728 | |
| 銅 | 1085 | 2562 | 1357.77 | |
| 金 | 1064 | 2856 | 1337.33 | |
| 銀 | 962 | 2162 | 1234.93 | |
| アルミニウム | 660 | 2519 | 933.437 | |
| マグネシウム | 650 | 1090 | 923 | |
| 亜鉛 | 420 | 907 | 692.68 | 沸点が低い(1,000℃未満) |
| 鉛 | 327 | 1749 | 600.61 | |
| ビスマス | 271 | 1564 | 544.55 | 低温はんだの成分 |
| スズ | 232 | 2602 | 505.08 | はんだの主な成分 |
| リチウム | 181 | 1342 | 453.65 | |
| インジウム | 157 | 2072 | 429.75 | |
| ナトリウム | 97.8 | 883 | 370.95 | 100℃より低い |
| カリウム | 63.4 | 759 | 336.53 | 100℃より低い |
| ルビジウム | 39.3 | 688 | 312.46 | 体温より少し高い |
| ガリウム | 29.8 | 2204 | 302.91 | 手のひらの温度で溶ける |
| セシウム | 28.4 | 671 | 301.59 | 暑い日の室温で溶ける |
| 水銀 | -38.8 | 357 | 234.32 | 常温で液体 |
出典: PubChem「Periodic Table of Elements」(米国国立医学図書館、元素の融点・沸点。1気圧、K の値を℃に直した)
値は PubChem の元素の表のもので、もとは K(ケルビン)で書かれています。℃の列は、K から273.15を引いて丸めました。
同じ金属でも、資料によって1〜数℃ちがうことがあります。測った年代や、温度の目盛りの決め方が違うためです。
たとえば銅は、この表では1,085℃です。日本銅センターの資料では1,083℃と書かれています。
融点と沸点の違いは?
融点は固体が液体になる温度、沸点は液体が気体になる温度です。
| 融点 | 沸点 | |
|---|---|---|
| 変わり方 | 固体 → 液体 | 液体 → 気体 |
| 反対の向き | 凝固点(液体 → 固体) | 凝縮(気体 → 液体) |
| 圧力の影響 | とても小さい | 大きい |
| 金属の例(鉄) | 約1,540℃ | 約2,860℃ |
金属の沸点は、融点よりずっと高い温度です。表の金属では、どれも融点より数百℃以上高くなっています。
亜鉛は沸点が低く、約900℃で気体になります。鉄が溶ける温度より、ずっと低い温度です。
融点が高い金属のランキングは?
融点が高い金属は、高い順にタングステン・レニウム・オスミウム・タンタルです。
| 順位 | 金属 | 融点 (℃) | メモ |
|---|---|---|---|
| 1 | タングステン | 3422 | 金属でいちばん高い融点 |
| 2 | レニウム | 3186 | 沸点はこの表でいちばん高い |
| 3 | オスミウム | 3033 | |
| 4 | タンタル | 3017 | |
| 5 | モリブデン | 2623 | |
| 6 | イリジウム | 2446 | |
| 7 | クロム | 1907 | ステンレスの主な成分 |
| 8 | 白金(プラチナ) | 1768 | |
| 9 | チタン | 1668 | |
| 10 | 鉄(純鉄) | 1538 | 鋼や鋳鉄はもっと低い温度で溶け始める |
出典: PubChem「Periodic Table of Elements」(米国国立医学図書館、元素の融点・沸点。1気圧、K の値を℃に直した)
上位の4つは、どれも3,000℃をこえます。鉄と比べると、1,400℃以上高い温度です。
融点が一番高い金属は?
融点が一番高い金属はタングステンで、約3,420℃です。
タングステンは、電球のフィラメントや溶接の電極に使われてきました。高い温度でも溶けにくいためです。
一方で、沸点がいちばん高いのはレニウムです。融点の順位と沸点の順位は、同じとはかぎりません。
タングステンは、比重も金とほぼ同じくらい重い金属です。重さは金属の比重一覧で比べられます。
融点が低い金属のランキングは?
融点が低い金属は、低い順に水銀・セシウム・ガリウム・ルビジウムです。
| 順位 | 金属 | 融点 (℃) | メモ |
|---|---|---|---|
| 1 | 水銀 | -38.8 | 常温で液体 |
| 2 | セシウム | 28.4 | 暑い日の室温で溶ける |
| 3 | ガリウム | 29.8 | 手のひらの温度で溶ける |
| 4 | ルビジウム | 39.3 | 体温より少し高い |
| 5 | カリウム | 63.4 | 100℃より低い |
| 6 | ナトリウム | 97.8 | 100℃より低い |
| 7 | インジウム | 157 | |
| 8 | リチウム | 181 | |
| 9 | スズ | 232 | はんだの主な成分 |
| 10 | ビスマス | 271 | 低温はんだの成分 |
出典: PubChem「Periodic Table of Elements」(米国国立医学図書館、元素の融点・沸点。1気圧、K の値を℃に直した)
上位の6つは、どれも100℃より低い温度で溶けます。このうち、ふだん手にする機会があるのは水銀とガリウムくらいです。
セシウム・ルビジウム・カリウム・ナトリウムは、空気や水と激しく反応します。そのため、材料としてはふつう使いません。
常温で液体の金属は?
常温で液体の金属は水銀だけで、融点は約マイナス39℃です。
ガリウムは約30℃で溶けます。体温より低いので、手のひらにのせておくと溶けて液体になります。
水銀は有害です。割れた古い体温計などの水銀には、素手でさわらないでください。
融点が100℃以下の金属は?
融点が100℃以下の金属は、水銀・セシウム・ガリウム・ルビジウム・カリウム・ナトリウムです。
このうちナトリウムは、約98℃で溶けます。沸騰したお湯より、少し低い温度です。
合金の融点は、なぜ幅がある?
合金は成分ごとに溶けやすさが違うため、溶け始める温度と溶け終わる温度が分かれます。
| 合金 | 固相線〜液相線 (℃) | 種類 | どんな合金か |
|---|---|---|---|
| はんだ Sn-58Bi(L20) | 139〜141 | はんだ | ビスマス入りの低温はんだ |
| はんだ Sn-37Pb(共晶はんだ) | 183 | はんだ | 鉛入り。共晶なので1つの温度で溶ける |
| はんだ Sn-3.0Ag-0.5Cu(M705) | 217〜220 | はんだ | 鉛フリーの標準的な組成 |
| はんだ Sn-0.75Cu(M20) | 227〜229 | はんだ | 銀を含まない鉛フリー |
| はんだ Sn-5.0Sb(M10) | 240〜243 | はんだ | 高温はんだ |
| アルミ 7075 | 477〜635 | アルミ合金 | 超々ジュラルミン(亜鉛入り) |
| アルミ 2024 | 502〜638 | アルミ合金 | ジュラルミン系(銅入り) |
| アルミ 4032 | 532〜571 | アルミ合金 | ケイ素入り(鍛造ピストンなど) |
| アルミ 5182 | 577〜638 | アルミ合金 | マグネシウムが多い板材 |
| アルミ 6063 | 615〜655 | アルミ合金 | サッシなどの押出材 |
| アルミ 3003 | 643〜654 | アルミ合金 | マンガン入りの板材 |
| アルミ 1050・1060・1070 | 646〜657 | アルミ合金 | 純アルミ系 |
| ステンレス SUS304 | 1400〜1420 | ステンレス | オーステナイト系(18-8) |
| チタン合金 Ti-6Al-4V | 1650 | チタン合金 | 64チタン。資料は幅でなく1つの値 |
出典(4件)
溶け始める温度を「固相線」、全部が液体になる温度を「液相線」といいます。表の「固相線〜液相線」がその幅です。
固相線と液相線のあいだでは、固体と液体がまじった状態になります。シャーベットのような状態を思いうかべると近いです。
はんだ付けや鋳造では、この幅が作業のしやすさに関わります。幅が広いほど、固体と液体がまじる温度の範囲が長くなります。
合金の融点は、純金属より低くなることがよくあります。アルミ合金は、どれも純アルミニウムより低い温度で溶け始めます。
はんだの融点は何度?
はんだの融点は、鉛フリーはんだで217〜220℃です。鉛入りの共晶はんだは183℃です。
| 合金 | 固相線〜液相線 (℃) | どんな合金か |
|---|---|---|
| はんだ Sn-58Bi(L20) | 139〜141 | ビスマス入りの低温はんだ |
| はんだ Sn-37Pb(共晶はんだ) | 183 | 鉛入り。共晶なので1つの温度で溶ける |
| はんだ Sn-3.0Ag-0.5Cu(M705) | 217〜220 | 鉛フリーの標準的な組成 |
| はんだ Sn-0.75Cu(M20) | 227〜229 | 銀を含まない鉛フリー |
| はんだ Sn-5.0Sb(M10) | 240〜243 | 高温はんだ |
出典: 千住金属工業「はんだ付け材料 製品カタログ」(2025年、合金一覧の溶解温度:固相線・液相線) / NIST「Database for Solder Properties with Emphasis on New Lead-free Solders」(表1.18、Sn-37Pb 共晶の融点)
はんだは、スズにほかの金属を混ぜた合金です。多くは、スズ単体の融点(約232℃)より低い温度で溶けます。
スズとアンチモンの高温はんだのように、わざとスズより高くしたものもあります。
ビスマスを多く入れた低温はんだは、約140℃で溶けます。熱に弱い部品をつなぐときに使われます。
共晶はんだと鉛フリーはんだの融点の違いは?
共晶はんだは183℃で一度に溶けます。鉛フリーはんだは、それより約35℃高い温度で溶けます。
「共晶」とは、ある決まった成分のときだけ、合金が1つの温度で溶ける組み合わせのことです。スズ63%・鉛37%のはんだが代表です。
鉛フリーはんだに替えると、はんだごての温度も高めに合わせる必要があります。
鉛フリーはんだの表の「M705」などは、千住金属工業の製品名です。同じ成分のはんだは、ほかのメーカーからも出ています。
ステンレスの融点は何度?
ステンレス SUS304 の融点は、1,400〜1,420℃です。
純鉄の約1,540℃より、100℃以上低い温度です。クロムやニッケルを混ぜた合金なので、溶ける温度に幅があります。
SUS304 以外の鋼種と、炭素鋼・鋳鉄の幅は表に入れていません。一次資料で確かめられなかったためです。
アルミの融点は何度?
純アルミニウムの融点は約660℃で、アルミ合金は種類によって約480〜660℃です。
7075や2024は、溶け始めが500℃前後と低めです。純アルミ系の1000番台は、純アルミニウムに近い温度で溶けます。
アルミは鉄より約900℃低い温度で溶けます。そのため、アルミは溶かして型に流す鋳造やダイカストによく使われます。
真鍮(黄銅)の融点は何度?
真鍮(黄銅)の融点は、一次資料で値を確かめられなかったため、表に入れていません。
黄銅は銅と亜鉛の合金で、亜鉛の量で溶ける温度が変わります。使う材料の記号(C2600・C3604など)で、メーカーの資料を確かめてください。
融点と使われ方の関係は?
融点が低い金属はつなぐ・流し込む用途に、高い金属は熱に耐える用途に使われます。
| 融点 | 主な使い方 | 例 |
|---|---|---|
| 常温付近 | 液体のまま使う | 水銀(古い温度計)、ガリウム |
| 低い(数百℃まで) | はんだ付け・低温での鋳造 | スズ・はんだ・亜鉛・鉛 |
| 中くらい | 鋳造・ダイカスト・押出 | アルミ合金・マグネシウム |
| 高い(千数百℃) | 構造材・刃物・配管 | 鉄・ステンレス・チタン・ニッケル |
| とても高い | 炉の部品・電極・フィラメント | タングステン・モリブデン・タンタル |
ただし、融点が高いことと、高温で使えることは同じではありません。金属は、融点よりかなり低い温度でも柔らかくなります。
高温で使う部品は、融点ではなく、メーカーが示す使用温度の上限で選びます。
融点は圧力で変わる?
金属の融点は圧力でほとんど変わらず、1気圧増えても1,000分の数℃しか動きません。
| 金属 | 定点の温度 (℃) | 1気圧増えたときの変化 (1000分の1℃) | メモ |
|---|---|---|---|
| 水銀 | -38.8344 | +5.4 | 三重点(固体・液体・気体が共存) |
| ガリウム | 29.7646 | -2.0 | 圧力を上げると融点が下がる |
| インジウム | 156.5985 | +4.9 | |
| スズ | 231.928 | +3.3 | |
| 亜鉛 | 419.527 | +4.3 | |
| アルミニウム | 660.323 | +7.0 | |
| 銀 | 961.78 | +6.0 |
出典: BIPM(国際度量衡局)「Guide to the Realization of the ITS-90: Metal Fixed Points」(2018年、表1 定義定点の温度と圧力による変化)
表の値は、温度の目盛りを決める国際的な基準の資料のものです。アルミニウムの融点は、1気圧増えると0.007℃上がります。
ガリウムだけは、圧力を上げると融点が下がります。固体より液体のほうが体積の小さい、めずらしい金属です。
沸点は圧力で変わる?
沸点は圧力で大きく変わり、水では気圧が半分になると約19℃下がります。
| 場面 | 圧力 (MPa) | 気圧 (気圧) | 沸点 (℃) |
|---|---|---|---|
| 1気圧の約半分 | 0.05 | 約0.5 | 81.3 |
| 1気圧(標準の大気圧) | 0.101325 | 1 | 99.97 |
| 1気圧の約2倍 | 0.2 | 約2 | 120.2 |
出典: NIST Chemistry WebBook「Thermophysical Properties of Fluid Systems」(水の飽和の表)
一覧の沸点は、どれも1気圧の値です。真空の炉のように気圧が低い場所では、金属も表より低い温度で気体になります。
融点の一覧は気圧を気にせず使えます。沸点の一覧は、1気圧の値だと覚えておいてください。
融点はどうやって測る?
融点は、金属をゆっくり熱して、温度が止まって平らになるところの温度を読んで求めます。
純金属は、溶けている間も、固まっている間も、温度がほぼ一定に保たれます。この平らな部分の温度が融点です。
国際的な温度の目盛り(ITS-90)は、金属の融点や凝固点を基準にしています。スズ・亜鉛・アルミニウム・銀などです。
合金では、温度が平らにならず、ゆるやかに曲がります。曲がり始めと終わりの温度が、固相線と液相線にあたります。
金属の融点でよくある質問は?
鉄とステンレスの融点は?
純鉄は約1,540℃、ステンレス SUS304 は1,400〜1,420℃です。
ステンレスは、鉄より100℃以上低い温度で溶け始めます。
金と銀の融点は?
金は約1,064℃、銀は約962℃です。
銀は、温度の目盛りを決める基準の温度の1つです。圧力の節の表に載せています。
銅の融点は何度?
銅の融点は約1,085℃で、金より少し高い温度です。
日本銅センターの資料では1,083℃です。1〜2℃の差は、資料の年代の違いと考えてかまいません。
融点が一番低い金属は?
融点が一番低い金属は水銀で、約マイナス39℃です。
ふだんの気温で液体の金属は、水銀だけです。
融点を K(ケルビン)で表すには?
℃の値に273.15を足すと K になります。
純金属の表には、K の列も載せています。鉄なら、1,811K です。
熱の伝わりやすさも比べられる?
金属ごとの熱の伝わりやすさは、熱伝導率の一覧で比べられます。
同じ表の形で、純金属と合金の値を載せています。
出典
- Periodic Table of Elements(PubChem、米国国立医学図書館。元素の融点・沸点)
- Guide to the Realization of the ITS-90: Metal Fixed Points(BIPM 国際度量衡局、2018年、表1)
- アルミ材料の諸特性データベース 3. 物理的性質(日本アルミニウム協会、表2)
- はんだ付け材料 製品カタログ(千住金属工業、2025年、合金一覧)
- Database for Solder Properties with Emphasis on New Lead-free Solders(NIST、表1.18)
- チタン カタログ T001(日本製鉄、他金属材料との物性比較。表の出典は日本チタン協会)
- 銅の特徴:物理的性質・機械的性質(日本銅センター)
- Thermophysical Properties of Fluid Systems(NIST Chemistry WebBook、水の飽和の表)